仕事柄か私のパソコンには、毎日のように各種セミナー開催のお知らせや、コンサルタント、ウェブ集客のための教材販売などのメールが何通も届きます。どこで私のメールアドレスを手に入れたのか分からない業者もいますが、配信停止手続きをしても暫くするとまた届いたりします。HPやFBなど考えてみれば税理士というキーワードさえ入力して検索すれば、いくらでも手に入るのでしょう。その数は増えることはあれ減ることはありません。集客の手段として考えれば、これほど広範囲に数多く安上がりに出来る広告は他にはないのでしょう。地道にコツコツと営業活動を続けるよりも遥かに短期間で苦労することもなくお金もかけずに高収入をあげることが出来ることを謳い文句にこれらの手法を手に入れるノウハウを高価格で販売する業者も数多くいます。

 

悪いとまでは言いませんが、実際に実践出来て成功する人はごく僅かしかいないと思います。セミナーでも同じですが講義を受けて内容を知ることは出来ても、それを行動に移して継続できる人はなかなかいません。軸が違うというか、自分の価値観、習慣、職種の違いなど様々な要因が絡んでくると、教えられたとおりには踏み出せないのが現実です。

私がお客様と話をしていても、今までの自分の営業スタイルやお店の運営方法などをセミナーや教材などで習ったとおりに変えたという方はほとんどいません。自分の考え方や行動習慣を変えるのは、それだけ難しいことなのだとつくづく感じます。

 

最近私の周りにいる若い方は、自分の仕事にネットを活用することが当たり前になっています。特に感じるのは組織に属さず、自分の好きなことを事業として立ち上げる働き方、世間一般でいうアフリエーターが非常に増えてきたように思います。広告業、写真業、マーケッター、○○コンサルタント、インテリア、宝飾デザイナー、美容関係など職種は様々ですが、共通するのは普段の仕事は1人でこなし、フェイスブックなどのSNSを通じて知り合った仲間が大勢おり、異業種交流会などにも積極的に顔を出します。情報を共有しながら、協力しあえる機会があればすぐに連絡を取り合って集まります。

 

職場で上司や先輩に怒られながら、毎日朝から夜遅くまで残業しながら組織で働くスタイルを好まない若者が想像以上に増えてきているのではないかと感じます。恐らく所得や安定性では同年代のサラリーマンには及ばない人がほとんどだと思いますが、それ以上の価値を自分の仕事に見出しているのでしょう。こういった若者が増えてきたことが、冒頭に記したセミナーやら教材の販売業者が歩調を合わせるかのように増加してきたことは容易に想像できます。先日の新聞に潜在的な起業家は日本で約350万人、一方中国では1億2000万人、インドは9000万人が見込まれると載っていました。いくら人口に差があるとはいえ、あまりの違いに愕然としました。世界的にみれば、まだまだ日本はサラリーマンとして働くことが一般的なことなのかもしれません。アフリエーターとして第1歩を踏み出した若者たちには、事業を成長させ、雇用を生み出し、事業を通じて社会貢献していく気概を是非持ってほしいと願っています。人はやはり多くの人に支えられながら生きていることを忘れてほしくないと思います。