業種ごとに見る税務調査のポイント

税務調査はココを見ています!

このページでは各業種ごとの税務調査の重要ポイントをアドバイス致します。

実は税務調査は、業種毎に重点項目があります。

言い換えれば、普段の経理処理においてもチェックを忘れないようにすることで、ミスの軽減に役立てることができます。

「うちの会社は帳簿もしっかり記入してるし、請求書や領収証も保管してあるから大丈夫」

という言葉をよく聞きますが、税務調査は表面上いくら書類を整えてあっても内容と実態が異なれば、当然に指摘を受けます。組織が大きくなればなるほど、社長や経理の方が知らないところで不正がおこなわれていることも多々あります。

年に何回かは、自主的な見直しをおこなうことも社内不正などを未然に防ぐためには必要なことです。

私は25年間、国税調査官として税務調査を行う立場の人間でした。

その経験から、何が税務上の問題点となるのか、業種ごとのポイントはどこか、どう改善していけば良いのかを詳しくお伝えしていきます。まずはお気軽にご相談ください。

製造業の税務調査のポイント

・外注先からの直送販売の有無の検討
・試供品、試作品と売上との関係
・副産物、作業屑の収入の適否
・機械の個別稼働状況の把握
・製造指図書と製品出来高との照合検討
・作業日報と製品完成状況の対比検討
・外注先に対する材料の支給状況の検討
・原価計算の方法および原価配賦の適否検討
・減価償却費と建物、機械などの現物確認調査

卸小売業の税務調査のポイント

・大口現金取引、遠隔地取引の検討
・営業時間外売上、直送委託販売、ネット販売などの検討
・季節はずれ商品の売上状況と在庫計上の有無
・価格変動時期の単価および取引事情の検討
・自家消費の処理の適否
・仕入返品、仕入値引、割戻し金などの帳簿処理の検討
・支払予定日以外の日に決裁された取引の検討
・異常在庫月における棚卸しと売上、仕入の関係

飲食店の税務調査のポイント

・調査日現在の現金有高と現金出納帳の残高確認
・レジペーパー、売上伝票と売上帳の照合
・領収証の控と売上の照合
・予約台帳と売上との照合
・割引券、クーポン券の回収状況と売上の確認
・自家消費の処理の適否
・チケット販売の状況と売上の確認
・カラオケ利用料、たばこ等の販売収入の検討
・ボトルキープの状況と売上の確認
・社員およびアルバイトの履歴書、タイムカード、扶養控除申告書などの確認

建設業の税務調査のポイント

・工事契約書と工事台帳の検討
・未成工事受入金と契約金額との比較検討
・未成工事受入金と未成工事支出金との比較検討
・外注工事の内容、支払状況、申告状況の確認
・追加工事の有無
・工事見積書と実際使用料との比較
・出面帳(出勤簿)による就労人員の工事別確認
・工事完成後の支払諸経費の適否
・仮設、足場費用の支払金額の検討
・期末に払い出した材料などの使途の確認調査
・完成工事への原価付け替えの有無
・入札状況と競合会社への外注費の実態調査
・翌期首完成工事分の期末仕掛工事の計上の有無
・現場直送材料、その他消耗品の棚卸高計上の有無

運送業の調査のポイント

・特定車の特定期間における稼働状況
・配車表と運転日報または得意先元帳との照合
・新車の取得時期と収入発生時期の適否
・運転日報の内容検討と収入の適否
・申告書と運転営業事業報告書の内容比較検討
・リッターあたり走行距離と燃料代の適否
・車両別修理状況と資本的支出の有無
・調査日現在の予備タイヤ、燃料、タイヤチューブなど主要部品の数量確認
・荷造材料費と荷造収入の検討

上記に挙げたポイントは、ほんの一例ですが、全業種に共通した調査のポイントがあります。

売上関係

・調査日現在の手許現金と関係帳簿の照合
・調査日前数日間の売上と現金の照合
・調査日現在の売掛金の入金と小切手、受取手形と関係帳簿の照合
・納品書などの書類と帳簿との照合
・売上値引、割戻しの検討および販売状況の確認
・交際費と得意先への確認調査
・旅費交通費と売上の関連調査
・支払運賃と売上の関連調査
・レジスターの使用状況の確認
・個人名義預金の入出金内容の調査
・個人資産の取得状況と資金出所の調査

仕入および原価関係

・異常仕入月の請求書、領収書類の照合および筆跡、紙質の調査
・特定の取引先への反面(確認)調査
・スポット現金仕入の確認
・長期にわたり異動のない買掛金の確認
・決済ごとの支払手段の検討
・遠隔地取引先との仕入状況と売上との照合調査
・仕入商品の現物確認と仕入先の確認

たな卸関係

・期末仕入高および翌期首売上高から期末たな卸状況の確認
・仕入値引、割戻しの検討
・積送品、委託品、外注製品のたな卸計上の確認
・実地たな卸高とたな卸原票(メモなど含む)との照合
・調査日現在の主要商品、製品の在庫から逆算した期末在庫の検討
・支店、営業所、工場、倉庫などの在庫の確認
・たな卸作業をおこなった担当者への質問検査

経費関係

・代表者家族、親族に対する月別支給状況、勤務実態、職務内容の確認
・雑給などアルバイト、パートに対する支給状況、勤務実態の確認
・交際費や旅費と取引先との関連調査
・贈答品の種類、金額などの確認、購入先への確認調査
・飲食代など個人的な経費の付けこみの有無の確認
・支払手数料、販売手数料、紹介手数料などの支出内容の検討
・支店、営業所などの配賦予算の使用状況の確認
・雑費、雑損などイレギュラー取引の内容確認


以上、代表的なものをいくつか挙げてみましたが、個々の会社によってポイントとなる点は様々です。実際の監査によって何が必要なのか、改善すべき箇所はどこなのかをお伝えしていきます。
税務調査に不安がある、社内の業務体制を強化していきたいとお考えの経営者の方は是非一度お気軽にご相談ください。

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